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あの後一旦、トリスとマグナとラウルさん分かれた。
そして、私とネスティが部屋へ戻ろうという時、フリップという召喚師がネスティを呼びとめた。

無駄に偉そうなフリップは、ネスティに向かい、トリスとマグナをとある部屋へ呼べと命令し、私を一瞥して不機嫌そうに鼻を鳴らした。
その視線が「なんだコイツは…」と見下すような種類のモノで、その事からこのフリップという親父が“身分”とか“肩書き”とかに無駄に拘る人間だと判断させた。

そしてそれは正解のようだった。
ネスティとトリスとマグナと私が揃って呼ばれた部屋へ行き、話を進めるうちに、彼は堂々と見下した言い回しを使ったのだ。
トリスとマグナ…そして何故かネスティに向かって。

青の派閥の召喚師、フリップ・グレイメン。
…なんていうか、お近づきになりたくない人種だ。


△▼


「…嫌な親父でしたね」

私とトリスたちがネスティに街のあちこちを案内してもらっった後のこと。
導きの庭園で少し休憩を取っている時に、ふと旅立ち前の一連の事を思い出した私。
つい、ぼそっと口に出してしまうと、ネスティが苦笑して言葉を返してきた。

「あの人はいつも“ああ”だよ」

「うわっ、正真正銘のバカですね」

私が断言すると、ネスティは複雑そうな表情になった。
何故だろうかと問おうとした時、マグナとトリスが私の両脇からにゅっと出てきた。

「…俺達は“成り上がり”だからね」

「そうそう。勝手に成り上がらせたのはあの人たちなのにね」

ちょっと寂しそうにマグナが言い、トリスが言葉を足す。
ネスティはその様子を痛々しそうに見ていて、私は言葉を失う。
少し重くなった空気を感じたのかどうなのかはわからないけれど、レシィくんとハサハちゃんが前に出てきて口を開く。

「で…でも、そのお陰でボク達はご主人様たちに会えました!」

「……(こくこく)」

フォローのつもりなのか、レシィくんが大きな声で言い、横でハサハちゃんが頷く。

何のフォローをしてるのか少し不明だけれど、その一生懸命さが微笑ましい。
そう思ったのは私だけではないらしく、マグナとトリスがそれぞれの召喚獣の頭を撫でる。
そして、何かひとことふたことを、笑顔と共に口にする。
主人のその言動に、レシィくんとハサハちゃんは嬉しそうに目を細めていた。

そんな彼らの関係が羨ましくて、一応、私のご主人さまのネスティを見上げる。

「……………」

彼は無言でトリスたちを見ていた。
その表情は、先程までと同じで、複雑で哀しそうだった。

彼は何故そんな表情をするのか。

「……ネスティさん?」

つい、呼びかけてしまった。

だけどネスティは咎めない。
彼は私を見て、ぽんぽんっと私の頭を軽くはたくと、トリスたちに呼びかけた。

「ほら、いつまでもそんな所にいないでさっさと次に行くぞ?」

「「はぁい」」

元気に手を上げてのお返事。
その様子に思わず笑みが出るが、目の端に移ったモノにふと笑いを引っ込めた。
ネスティやレシィくん、ハサハちゃんも気付いたらしく、ピタッと動きが止まる。

「「?」」

その事に対して、トリスとマグナが不思議そうに首をかしげたその時。

ドンッ

…と、ふたりに小さな影がぶつかった。








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